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報告書

令和4年度原子力発電所周辺における航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 長久保 梓; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 圷 雄一郎*; 新井 仁規*; et al.

JAEA-Technology 2023-027, 146 Pages, 2024/03

JAEA-Technology-2023-027.pdf:18.12MB

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。日本原子力研究開発機構では、有人ヘリコプターを使用した航空機モニタリングを福島第一原子力発電所周辺において継続的に実施してきた。本報告書では、令和4年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果について取りまとめると共に、過去のモニタリング結果から空間線量率等の変化量を評価し、その変化要因について考察した。また、航空機モニタリングによる空間線量率の換算精度向上に資するために、航空機モニタリングデータを用いて地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮に入れる前後での解析結果を比較し、本手法による精度向上効果を評価した。さらに、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用して、空気中のラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響について評価した。

論文

Behavior of radiocesium ($$^{137}$$Cs) on the coastal seafloor near the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant inferred from radiocesium distributions in long cores

中西 貴宏; 鶴田 忠彦; 御園生 敏治; 尻引 武彦; 卜部 嘉*; 眞田 幸尚

Journal of Coastal Research, 116(SI), p.161 - 165, 2024/01

2012年から2022年までに福島第一原子力発電所(FDNPP)周辺で観測された表層海底堆積物中のCs-137濃度の連続データをとりまとめた結果、全体的にCs-137濃度は時間とともに徐々に低下していた。しかし、浅海域のいくつかのモニタリングポイントでは、Cs-137濃度の長い環境半減期や大きなばらつきが認められた。浅海域海底におけるセシウムの動態についての理解を深めるために、FDNPP近くの浅海域で長尺の堆積物コアを採取し、Cs-137濃度と粒径分布の鉛直分布を得た。海岸付近では、Cs-137の濃度と粒径分布は数十cmから1m以上の深さまで非常に均一化されていたことから、現在、海岸付近の堆積物には深い層に相当量のCs-137が蓄積している。陸域だけでなく深層からのCs-137供給が、海岸付近の表層海底土のCs-137濃度の時間的低下を抑制している可能性が示唆された。沖合の崖や窪地に位置する地点ではCs-137濃度の鉛直分布は不均質であり、数年間に同一地点で得られたCs-137鉛直分布はまったく異なっていた。この不均質性が、表層堆積物のCs-137濃度の経時的な大きな変化を引き起こすと推測された。

論文

Assessment of ambient dose equivalent rate distribution patterns in a forested-rugged terrain using field-measured and modeled dose equivalent rates

休石 美佐*; Masoudi, P.*; 西村 拓*; 越智 康太郎; Ye, X.*; Aldstadt, J.*; Komissarov, M.*

Radiation Measurements, 168, p.106978_1 - 106978_16, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

本研究では、福島県の森林内の落葉及び常緑樹の直下で、可搬型及びバックパック式シンチレーション検出器を用いて空間線量率分布を調査した。地形の特徴が空間線量率に及ぼす影響を評価するために、5つの地形パラメータに対して、多変量適応回帰スプライン(MARS)による検討を行った。森林内の空間線量率分布は不均一であり、時間の経過と共に、空間線量率が1$$mu$$Sv/h以上変動していた。これは、地面の湿潤度などのパラメータが影響していることが示唆された。全てのパラメータに対するMARSモデルの決定係数(R$$^{2}$$)は、0.54又はそれ以上であった。空間線量率と土壌汚染レベルに対する地形の影響が一致しているかどうかを議論するために、現場で測定された空間線量率と土壌中放射性セシウムの深度分布から推定された空間線量率を比較した。土壌試料から推定される空間線量率は、ほとんどが現場での測定値の範囲内であった。

報告書

軟X線領域のXAFS測定によるホウケイ酸ガラスの構造評価,3(共同研究)

永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 柴田 大輔*; 小島 一男*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 畠山 清司*

JAEA-Research 2023-004, 45 Pages, 2023/09

JAEA-Research-2023-004.pdf:6.07MB

ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、ガラス固化体を模擬したガラス(以下、模擬廃棄物ガラス)を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供したガラス表面を対象に、BのK吸収端、FeのL$$_{3}$$、L$$_{2}$$吸収端及びCsのM$$_{5}$$、M$$_{4}$$吸収端のXANESスペクトル測定を行った。その結果、浸出液に曝露されたガラス表面は変化し、明瞭なXANESスペクトルが得にくくなることが分かった。BのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後の試料表面は未浸漬の試料表面と比較してB-Oの3配位構造(BO$$_{3}$$)が増加し、4配位構造(BO$$_{4}$$)が減少する傾向を確認した。FeのL$$_{3}$$、L$$_{2}$$吸収端及びCsのM$$_{5}$$、M$$_{4}$$吸収端のXANESスペクトルから、浸漬時間が長くなるに従って、ガラス表面に存在するCsが浸出液中へ溶出することを確認した。未浸漬の模擬廃棄物ガラスを対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、Na$$_{2}$$O濃度によるXANESスペクトルの変化が廃棄物成分濃度による変化より大きいことを確認した。

論文

Effects of radioactive cesium from suspended matter and fallout on agricultural products

二瓶 直登*; 吉村 和也

Agricultural Implications of Fukushima Nuclear Accident (IV), p.33 - 40, 2023/09

To determine the effects of radioactive Cs in suspended matter and fallout on the secondary contamination of Komatsuna was investigated. The radioactive Cs detected for Komatsuna was resulted by not only suspended matters but also deposition of soil particles that bounced up from the ground due to rainfall. Additionally, the secondary contamination of Komatsuna was derived from not only adhesion to plant surfaces but also adsorption into the plant. Dissolved and particulate forms of radioactive Cs were observed in fallout, of which bioavailable fraction might contributed to the secondary contamination.

論文

Thirty-year prediction of $$^{137}$$Cs supply from rivers to coastal waters off Fukushima considering human activities

池之上 翼; 嶋寺 光*; 中西 貴宏; 近藤 明*

Water (Internet), 15(15), p.2734_1 - 2734_18, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故は沿岸海域における堆積物への$$^{137}$$Csの蓄積を引き起こした。また、河川から海洋への$$^{137}$$Csの供給は沿岸海域における堆積物中の$$^{137}$$Csの長期的な挙動に影響を与える可能性がある。福島沿岸の河川流域には大規模な除染地域や避難指示地域が含まれているため、除染作業や農業再開を考慮することは$$^{137}$$Csの供給量を予測する上で重要である。そこで本研究は、これらの人間活動の影響を考慮した分布型放射性セシウム予測モデルを用いて、福島沿岸河川から海洋への$$^{137}$$Cs供給量の30年間の予測を実施した。結果として、除染地域と避難指示地域のある河川流域では人間活動により、農地、市街地、森林から河川への$$^{137}$$Csの流出量は5.0%、海洋への$$^{137}$$Cs供給量は6.0%それぞれ減少すると推定された。これらの結果は、人間活動が$$^{137}$$Csの流出と供給に与える影響は小さかったことを示している。事故の影響を受けた河川から海底堆積物への$$^{137}$$Cs供給量は、事故初期の沿岸海域における堆積物中の$$^{137}$$Csの存在量に対して11%から36%に相当すると推定された。したがって、沿岸海域における堆積物中の$$^{137}$$Csの長期的な挙動には河川から海洋への$$^{137}$$Cs供給が重要なプロセスであることが示唆された。

論文

Chemical species of cesium and iodine in condensed vaporized microparticles formed by melting nuclear fuel components with concrete materials

大貫 敏彦*; Ye, J.*; 加藤 友彰; Liu, J.; 高野 公秀; 香西 直文; 宇都宮 聡*

Environmental Science; Processes & Impacts, 25(7), p.1204 - 1212, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所事故により生成し環境に放出された放射性微粒子に含まれるCsとIの化学状態を明らかにするため、CsIとコンクリートを含む核燃料成分を用いた溶融実験により生成した粒子(CVP)に含まれるCsとIを分析した。CVPは直径が数10$$mu$$mより小さい丸い粒子で、CsとIを含んでいた。2種類の粒子が確認された。一つはCsとIを多く含むもので、CsIが含まれていると推定された。他方はSi量が多く、CsとIの量は少なかった。2種類の粒子に含まれるCsIの大部分は水に溶けた。Siを多く含む粒子からは一部のCsが水に溶けずに残った。これらの結果は、後者の粒子ではSiとともにCsが粒子に取り込まれ、Siによってこの粒子の溶解性が低くなったことを示す。

論文

Thirty-year simulation of environmental fate of $$^{137}$$Cs in the Abukuma River basin considering the characteristics of $$^{137}$$Cs behavior in land uses

池之上 翼; 嶋寺 光*; 中西 貴宏; 近藤 明*

Science of the Total Environment, 876, p.162846_1 - 162846_12, 2023/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:52.26(Environmental Sciences)

土地利用の$$^{137}$$Csの挙動特性を考慮し、阿武隈川流域における$$^{137}$$Csの30年間の環境動態シミュレーションを実施した。30年間で海洋へ輸送された$$^{137}$$Csは阿武隈川流域の初期沈着量の4.6%に相当し、阿武隈川流域に沈着した$$^{137}$$Csの実効半減期は$$^{137}$$Csの半減期より3.7年(11.6%)短くなると推定された。これらの結果は事故によって沈着した$$^{137}$$Csが数十年残留し続ける可能性があることを示唆するものであった。土地利用における$$^{137}$$Csの挙動を分析した結果、2011年における市街地による海洋への$$^{137}$$Csの輸送の寄与は、総輸送量の70%に相当すると推定された。一方で、2012年から2040年における農地による輸送の寄与は総輸送量の75%に相当すると推定された。事故後30年間、人間活動のある地域とない地域に残留する$$^{137}$$Csの放射性崩壊を除いた削減率は、それぞれ11.5%から17.7%、0.4%から1.4 %と推定された。これらの結果は、過去から将来にかけて人間活動が土地に残留する$$^{137}$$Csの減少を促進することを示唆するものであった。

報告書

令和3年度原子力発電所周辺における航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 長久保 梓; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 圷 雄一郎*; 卜部 嘉*; et al.

JAEA-Technology 2022-027, 148 Pages, 2023/02

JAEA-Technology-2022-027.pdf:19.64MB

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。日本原子力研究開発機構では、有人ヘリコプターを使用した航空機モニタリングを福島第一原子力発電所周辺において継続的に実施してきた。本報告書では、令和3年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果について取りまとめると共に、過去のモニタリング結果から空間線量率等の変化量を評価し、その変化要因について考察した。また、航空機モニタリングによる空間線量率の計算精度向上に資するために、航空機モニタリングデータを用いて地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮に入れる前後での解析結果を比較し、本手法による精度向上効果を評価した。さらに、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用して、空気中のラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響について評価した。

論文

Statistical analysis of simulated oceanic dispersion of dissolved radionuclide hypothetically released from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant using long-term oceanographic reanalysis data

池之上 翼; 川村 英之; 上平 雄基

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(1), p.61 - 71, 2023/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所から仮想的に放出された溶存放射性核種の海洋拡散について、長期海洋再解析データを用いて数値シミュレーションを実施した。シミュレーション結果に基づいて統計的に解析を行い、海洋における溶存放射性核種の挙動の特徴と傾向を評価した。福島沿岸海域の放出地点における表層流の南北成分と黒潮続流は、それぞれ福島沿岸海域の表層における放射性核種の南北方向の輸送と沖合の表層における放射性核種の東方向の輸送に大きく影響した。沿岸から沖合にかけての表層における運動エネルギーが大きいと表層における放射性核種の拡散範囲が大きくなる傾向があった。夏季(7-9月)には、福島沿岸海域での表層における放射性核種の南向き輸送によって黒潮続流に取り込まれる放射性核種の頻度の増加と表層における運動エネルギーが大きいことにより、表層における放射性核種の拡散範囲が大きくなった。冬季(1-3月)には、福島沿岸海域での表層における放射性核種の北向き輸送によって黒潮続流に取り込まれる放射性核種の頻度の減少と表面運動エネルギーが小さいことにより、表層における放射性核種の拡散範囲が小さくなった。

報告書

軟X線領域のXAFS測定によるホウケイ酸ガラスの構造評価,2(共同研究)

永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*

JAEA-Research 2022-008, 37 Pages, 2022/10

JAEA-Research-2022-008.pdf:5.27MB

ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、原料ガラスや模擬廃棄物ガラスを対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供した模擬廃棄物ガラス表面を対象に、FeのL$$_{3}$$、L$$_{2}$$吸収端及びCsのM$$_{5}$$、M$$_{4}$$吸収端XANESスペクトルを測定した。その結果、浸出時間の経過とともにガラス試料重量の減少や浸出液中の溶出元素濃度の増加が確認された状況と同様、CsのM$$_{5}$$、M$$_{4}$$吸収端XANESスペクトルが消失し、FeのL$$_{3}$$、L$$_{2}$$吸収端スペクトル形状が変化することを確認した。また、浸出試験後の模擬廃棄物ガラスは、ラマン分光測定でも観察されたように表面に化合物層を形成するため、明瞭なBのK吸収端XANESスペクトルは得られないことが分かった。Na$$_{2}$$O濃度によるSi局所構造への影響を確認するため、Na$$_{2}$$O濃度が異なる原料ガラスを対象に、全電子収量法(PEY)でSiのK吸収端XANESスペクトルを測定した。その結果、Na$$_{2}$$O濃度が高くなるとSiのK吸収端ピークエネルギーは低下し、7wt%Na$$_{2}$$O前後でピーク強度が高くなることを確認した。

論文

Annealing effect of absorbing property for Cs and CsI in fullerene investigated by synchrotron X-ray photoelectron spectroscopy

関口 哲弘; 横山 啓一; 矢板 毅

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(3), p.186 - 195, 2022/07

Cs-135を含む長寿命核種の同位体分離に関する技術開発は放射性廃棄物の減容化および中性子照射による長寿命核種の核変換消滅の要素技術として重要である。THzレーザー光をヨウ化セシウム分子Cs(-133/-135)Iに照射することにより同位体選択的な解離反応を引き起こすことができる。しかし問題として、選択的に生成するCs-135原子は安定同位体から成るCs(-133)I分子との衝突により、同位体交換を起こす。よって我々はCs原子のみを選択的に吸蔵材料に回収し、衝突を回避する試みを検討している。Cs原子は炭素(C$$_{60}$$)吸蔵材料内の数100オングストロームの深部まで侵入する。それに対しCsI分子は材料内に浸透しない。しかし室温ではCsI分子が堆積する問題が残された。本研究では加熱によりCsI堆積を防ぐことを検討した。X線光電子分光(XPS)測定を行い、材料の組成,深さ濃度分布,膜厚を評価した。Cs蒸着後の加熱アニーリング効果およびCs蒸着中の加熱効果を調べた。CsI分子が表面に残らず、Csが炭素材料に残存する可能性について検討した。

論文

Radiocesium-bearing microparticles cause a large variation in $$^{137}$$Cs activity concentration in the aquatic insect ${it Stenopsyche marmorata}$ (Tricoptera: Stenopsychidae) in the Ota River, Fukushima, Japan

石井 弓美子*; 三浦 輝*; Jo, J.*; 辻 英樹*; 斎藤 梨絵; 小荒井 一真; 萩原 大樹; 漆舘 理之*; 錦織 達啓*; 和田 敏裕*; et al.

PLOS ONE (Internet), 17(5), p.e0268629_1 - e0268629_17, 2022/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:43.07(Multidisciplinary Sciences)

本研究では、福島県太田川で採集した解虫性トビケラ(Stenopsyche marmorata)および肉食性ヘビトンボ(Protohermes grandis)幼虫の水生昆虫個体における$$^{137}$$Cs放射能濃度のばらつきを調査した。トビケラ幼虫は散発的に高い放射能を示したが、ヘビトンボ幼虫ではばらつきは見られなかった。オートラジオグラフィーと走査型電子顕微鏡による分析から、これらのトビケラ幼虫試料には、不溶性のCs含有ケイ酸塩ガラス粒子である放射性Cs含有微粒子(CsMPs)が含まれていることが確認された。また、CsMPsはトビケラ幼虫の餌となりうるペリフィトンや漂流粒子状有機物にも含まれており、幼虫はCsMPsを同サイズの餌粒子とともに摂取している可能性が示唆された。淡水生態系におけるCsMPsの分布や生物による取り込みは比較的知られていないが、本研究はCsMPsが水生昆虫に取り込まれることを実証している。

論文

Validation study of ambient dose equivalent conversion coefficients for radiocaesium distributed in the ground; Lessons from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

越智 康太郎; 舟木 泰智; 吉村 和也; 飯本 武志*; 松田 規宏; 眞田 幸尚

Radiation and Environmental Biophysics, 61(1), p.147 - 159, 2022/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:47.19(Biology)

The ambient dose equivalent conversion coefficient (ADC) for converting from the radionuclide inventory to the ambient dose equivalent rate (ambient dose rate) is used to estimate exposure doses. We have collected actual data, ambient dose rate at 1 m above the ground level and vertical distribution of radiocesium in the soil sample, around the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS). The actual data during FY2011-FY2019 is used for confirming the validity of ADC. The ADC assuming the vertical distribution of radioceisum were calculated with relaxation mass depth. Good correlation was found between the calculated inventory by the ambient dose rate and ADC in this study and actual radiocesium inventory. Therefore, the ADC in this study sufficiently reflected the actual deposition status of radiocesium on the ground surface after the FDNPP accident.

論文

Remobilisation of radiocaesium from bottom sediments to water column in reservoirs in Fukushima, Japan

舟木 泰智; 辻 英樹*; 中西 貴宏; 吉村 和也; 佐久間 一幸; 林 誠二*

Science of the Total Environment, 812, p.152534_1 - 152534_10, 2022/03

 被引用回数:13 パーセンタイル:60.65(Environmental Sciences)

貯水池の底質は原子力発電所事故由来の放射性物質を蓄積する傾向にあるが、嫌気的な環境下では底質から生物利用可能な形態で再移動し、それによって水生生態系の長期的な汚染が引き起こされる可能性がある。本論文では福島第一原子力発電所事故によって高濃度に汚染された底質が蓄積する2つの貯水池で、底質からの$$^{137}$$Cs溶出の直接的な証拠となる底質間隙水の採取・分析を行った。その結果、底質と間隙水との間での$$^{137}$$Csの再分配は$$^{137}$$Csとアンモニウムイオンとの交換が主たる要因であることを明らかにした。

報告書

令和2年度原子力発電所周辺における航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 石崎 梓; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; et al.

JAEA-Technology 2021-029, 132 Pages, 2022/02

JAEA-Technology-2021-029.pdf:24.58MB

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。日本原子力研究開発機構では、有人ヘリコプターを使用した航空機モニタリングを福島第一原子力発電所周辺において継続的に実施してきた。本報告書では、令和2年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果について取りまとめると共に、過去のモニタリング結果から空間線量率等の変化量を評価し、変化量に寄与する要因について考察した。また、航空機モニタリングによる空間線量率の計算精度向上に資するために、航空機モニタリングデータを用いて地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮に入れる前後での解析結果を比較し、本手法による精度向上効果を評価した。さらに、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用して、空気中のラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響について評価した。

論文

Airborne radiation survey after the accident

鳥居 建男*; 眞田 幸尚

Behavior of Radionuclides in the Environment III; Fukushima, p.17 - 29, 2022/00

福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の影響を評価するため、航空機による放射線調査を実施した。日本原子力研究開発機構では、有人ヘリコプターによる空中放射線調査を実施し、本調査手法の開発と同時に分析手法の開発・確立も行ってきた。特に、東日本と西日本では背景となる放射線量が大きく異なるため、ガンマ線エネルギースペクトルを用いた自然放射性核種と宇宙線の識別方法を開発した。また、大量の地上測定データとの比較により、空中放射線モニタリングデータの信頼性を確認した。ここでは、その測定手法と結果について報告する。放射性セシウムの物理的減衰に加え、土壌への浸透による減衰効果の増大により、周辺線量率は減少している。これらの結果は、住民の被ばく線量を評価・予測するための大気中モニタリングの重要性を示している。

論文

計算科学による雲母粘土鉱物の放射性セシウム吸着現象研究

奥村 雅彦

地球化学, 55(4), p.110 - 121, 2021/12

福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムの一部は表層土壌に強く吸着し、住民避難の原因となった。国による大規模除染によって居住地の空間線量率は低下し、住民帰還が実現するに至ったが、除染により排出された放射性セシウムを含む除染除去土壌の処分は今も大きな問題として残されている。放射性セシウムは土壌中の雲母粘土鉱物によって強く吸着されていることが知られているが、その吸着機構は明らかになっていなかった。本稿では、事故以来継続的に実施してきた放射性セシウムの雲母粘土鉱物による吸着現象に対する計算科学的研究について総合的に解説する。

論文

放射性セシウム流出量に及ぼす林床状況の影響; 福島の山林の事例

新里 忠史; 佐々木 祥人; 渡辺 貴善; 雨宮 浩樹*

第31回社会地質学シンポジウム論文集, p.19 - 22, 2021/11

福島の山地森林における林床状況とセシウム137($$^{137}$$Cs)流出量の関連を把握するため、除染地,未除染地および林野火災の延焼跡地において3年間の長期観測を実施した。除染や延焼により失われた林床被覆が回復するのに伴い$$^{137}$$Cs流出量は減少し、除染地では除染直後の3.24%から0.61%へ、延焼跡地では延焼直後の2.79%から0.03%へと低下した。林床被覆が60%を超えると未除染地や非延焼地と同程度の流出量となり、林床被覆60%は、観測地における流出影響の閾値と考えられる。延焼跡地では林床被覆の回復に伴い、流出物の主体が土壌粒子からリター片に変化したことも、$$^{137}$$Cs流出量の低下に寄与した。山地森林の林床が本来有する土壌侵食に対する保護機能は、$$^{137}$$Cs流出抑制に効果的である。

論文

Spatial variations in radiocesium deposition and litter-soil distribution in a mountainous forest catchment affected by the Fukushima nuclear accident

安藤 麻里子; 小嵐 淳; 都築 克紀; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 武藤 琴美*; 松永 武*

Journal of Environmental Radioactivity, 238-239, p.106725_1 - 106725_8, 2021/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.09(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故により周辺の森林域は$$^{137}$$Csで汚染された。複雑な山地地形における$$^{137}$$Cs沈着量の空間分布を明らかにするために、小河川集水域全域において一定間隔で土壌試料を採取した。土壌試料は2013年夏に42地点、2015年春に6地点において、有機物層と鉱物土壌層に分けて採取した。2013年の$$^{137}$$Cs蓄積量は高度と斜面方位に関連した大きな空間変動を示した。有機物層の$$^{137}$$Cs残留率は6%から82%と場所により大きく変動し、有機物層の量及び高度と正の相関を示した。しかし、有機物層の$$^{137}$$Cs残留率が55%以上であった地点においても、2015年には20%以下に低下しており、沈着から4年後までに多くが鉱物土壌層に移行し、粘土鉱物と結合することで移動性が低下していることが明らかになった。本研究ではまた、$$^{137}$$Cs蓄積量と同じ地点で測定した空間線量率を比較し、正の直線関係を得た。この関係式と前報において同じ集水域で測定した3,797点の空間線量率のデータを用いて、全集水域の$$^{137}$$Cs沈着量を推定した。

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